背負い籠

背負い籠は、各地さまざまな形とサイズがあります。

ここ長野でも、その昔、お蚕さんを育てるために桑の葉を収穫したり、出来た綿を運んだりとして使った物凄く大きなサイズの背負い籠がゴロゴロ出てきます。

現在では、筍とり、キノコとり、などで使われることがあるくらいで、使用頻度はグッと減りましたが、今でもホームセンターには、海外製の製品も売っていたりと、農村では縁が切れない道具の一つです。

使用内容により、人により、サイズも形も違うので、現在は決まったサイズではなく、個人に合わせて制作しています

形は大きく分けると二つあり

縁巻きをした、丸や楕円の口の背負い籠

もう一つは御用籠

と同じ製法の四角い背負い籠です。

長野の背負い籠はどちらの形もよく見かけます。

特徴が一つあり、背負い紐をつける為には

他所では縁などにくくりつける付け方をよく見かけますが

地元の籠は必ずと言っていいほど、鉄のリングを籠につけ、それに紐をつける方法を取っているものが多いです。

すぐ上の写真では縁にくくりつけていますが、本来この結び方たはあまり見かけません。

ご注文いただくことも少ないですが、

地域のおばあちゃん

これで筍をほりにいくのよ、とサイズ指定して下さったこともあったのですが、

そこは田舎のおばあちゃん、サイズが半端なくデカいんです。

この中に筍なんて入れて背負ったら、腰砕るだろ!

ってサイズの籠をヒョイっと背負って歩いていく姿は圧巻です。

僕でも背負えない、それを80のおばあちゃんが背負っていくのです。

昔の凄まじさをそんな形で見せつけられまました。

農業、林業、など作業時にはよく使え、道具を運び、草を運びと農村の生活を助けてくれます。

この籠もまた、消えてほしくない、継承したいそんな籠達です。

修行が足りないなぁと思わされる籠です。